仕事が忙しすぎるのにどうして恋人ができるの?

僕は、あることに疑問を抱いていた。それは同僚である鈴原くんのこと。僕たちは飲食業を担う会社の営業をやっているのだけど、それはもうあらゆる雑用をやらされて「猫の手も借りたい」状況。何の料理もできないのに、レストランのほうに回されたりそれはもう悲惨な状況。毎日の睡眠時間の平均は三時間。「おい、もう朝なのかよ」という台詞とともに起きる毎日。それは鈴原くんだって同じだった。仕事が忙しいと比例するように高まるのが「性欲」。疲れて死にそうだから、死ぬ前に子孫を残さなきゃ、と体が思うのだろうか?とにかく忙しい中、「あー可愛い彼女が欲しいなぁ」と妄想することもしばしば。

そんなある日のことだった。ものすごい短い休憩時間中。鈴原くんが楽しそうにケータイでメールをしていたのだった。「なになに、彼女とか?」僕はからかうつもりで言ってみた。三ヶ月前に聞いたときは鈴原くんも恋人がいないと言っていたし。彼の答えは予想とは違っていた。「うん、そう彼女からメールがきてさ」僕は、悲しみというのか悔しいというのか羨ましいというのか、よくわからないグチャグチャした感情に包まれたのだった。

「え、なんで?」すごい質問までしてしまった。「えっと、こんなに忙しい毎日なのにどうやって女の子と知り合えるわけ?正直、僕たちが仕事を終えたときって合コンも終わっている時間だしさ」僕は早口でフォローした。「出会い系サイトだよ」鈴原くんはすんなり教えてくれた。「俺たちみたいに仕事が忙しすぎるのって、確かに出会いはないよね。でも、出会い系サイトだったら空いてる時間でもできるしさ、便利だよ」僕は納得してしまった。

僕たちみたいな過労死寸前の男たちのオアシス、それこそが出会い系サイトだったのだ。その瞬間から僕も出会い系サイトを開始。確かに空いてる時間にサクっとできて、すごく便利。一週間後にはある女の子とデートの約束をしたのだった。早く教えてくれよ、鈴原先生!